第四回
大鼓五流儀競演 
【一調】殺生石 SESSHOSEKI
【一調】景清 KAGEKIYO 【一調】放下僧 HOKASO
【一調】鐘之段 KANENODAN 【一調一管】獅子 SHISHI
  
 今日は大鼓の「一調」「一調一管」です。 別紙、詞章をご用意いたしました。 
五流儀の違いは紐の通し方や、手(打つパターン)が違ったりしますが、同じ曲を一度に五人並べて打ち比べでもしないと確認できません。
ただ、競演の意味はそこにはなく、能の大鼓には五流儀が存在し、仮に区別がつかなくても夫々の流儀が醸し出す「気迫」と「音」がそれぞれどこか違うはず…。
 【 能 】 道成寺( どうじょうじ )


歌舞伎や日舞などで見る、あの華やかな展開の「京鹿子娘道成寺」とは異なり、執念に変わった女の恋する想いを、時間をかけて演じます。でも、ここまで想われたら、怖い!!  
怖い人は、あらすじだけ把握して頂き、大鼓の物着、小鼓の乱拍子、笛の急之舞などを目で、耳でお楽しみください。


その昔、真砂の荘司という人に娘がいて、その娘は毎年その家に宿を借りていた山伏を想い続けておりました。そんな気のなかった山伏は、ある日、逃げ出してしまい、紀伊道成寺の鐘の中に隠れてしまいました。
娘は毒蛇となって追って行き、恨みの火焔を吹きかけ、鐘もろともに男を焼き殺してしまいました。
そんなことがあったと…。
或る、花も盛りの頃、道成寺では新しい鐘の供養が行われようとしております。そこへ一人の白拍子が訪れ、鐘供養に舞を奉納させてくれと頼みます。女人禁制とのお触れの中でしたが、ついには能力が負けてしまい、女を寺内へ入れてしまいました。乱拍子を踏み、舞いながら、とうとう鐘に近づき、ついには鐘を落としてしまいました。驚いた皆の衆に住職は、昔こんなことがあったのだと物語り、これは、まだまだ女の執念が残っていると、法力でもって祈祷をして鐘をひきあげます。
やはり、そこには毒蛇がひそんでおりました。
毒蛇と僧侶との激しい闘いの末、毒蛇は身を焦がして日高川に姿を消しました。

以上、藤田六郎兵衛事務所からSADAEの能COMMENTでした。